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釣り・アウトドア

2022.11.06

ダイワ クーラーボックス
プロバイザートランク3500 インプレ
シマノ クーラーとの比較検証

ブランド DAIWA(ダイワ)
商品名 クーラーボックス プロバイザートランクHD II 3500 S/GU/TSS/ZSS
サイズ 容量:35L
内寸:24 × 55 × 25cm
外寸:32.5 × 71.5 × 35cm
保冷力・断熱材 保冷力:KEEP 120
3面真空パネル+ウレタン ※上フタの断熱材はスチロール
パーツ・機能 ロングハンドル/サイドハンドル/水栓/キャスター(静音)/ふんばるマン/プルーフケース
重量 7.3kg
同梱物 ダイワ 防水プルーフケース PC-3500
価格帯 20,000円台〜

CONTENTS

目次

ダイワ プロバイザートランクHD II 3500は、こんな人におすすめ

ダイワプロバイザートランク3500は横長のクーラーボックスです。魚釣り用のクーラーボックスとして便利です。プロバイザートランクのおすすめポイントはこちら。

  • 横長だから魚釣り用クーラーボックスとして利便性が高い
  • 大容量だから大人数でのキャンプやBBQにもおすすめ
  • キャスター付きだから持ち運びが楽です
  • 中型(55cmまで)の魚がすっぽり入ります
  • 真空パネル(TSS以上)は保冷力がすごい
  • ダイワのクーラーは医療業界でも使われ、信頼度が高い

プロバイザートランク3500は、横長で高さが抑えられているため、車載時も意外と省スペースで済むのがメリット。プロバイザートランクの上に他の荷物を積めるので助かります。

ダイワのクーラーボックスは種類が豊富で、釣りだけではなくキャンプやアウトドア全般で使えます。特筆すべきはダイワのクーラーボックスは血液や臓器の運搬用として医療業界でも採用されている信頼と実績があること。

今回は35Lキャスター付きで55cmまでの魚が入る大型クーラー(魚を斜めにすれば60cmの魚も入る)、プロバイザートランクHDⅡ 3500 TSSをインプレ。シマノ スペーザとの比較や、ダイワとシマノのクーラーボックスの保冷力を比較。

シマノ スペーザとダイワ プロバイザートランク比較

ダイワ プロバイザートランク 3500を購入する前に、同価格帯のシマノ スペーザ リミテッド 350 キャスターと比較。気になった点を表にしました。

比較項目

ダイワのクーラーボックス

画像引用:DAIWA

シマノのクーラーボックス

画像引用:SHIMANO

商品名 プロバイザートランクHD II 3500 スペーザ リミテッド 350 キャスター
容量 35L 35L
幅 x 長さ x 高さ

内寸:24×55×25cm
外寸:32.5×71.5×35cm

内寸:25.2×59.2×23cm
外寸:34.7×79.4×32cm

重量 7.3kg 7.7kg
断熱構造 3面真空パネル

ウレタン
3面一体型真空パネル

発泡ポリスチレン
商品名 プロバイザートランクHD II 3500 スペーザ リミテッド 350 キャスター
保冷力 【KEEP 120】
外気40℃の恒温室内でクーラー本体容量の25%の角氷を入れ、8時間後の氷の残存率を算出した数値をKEEP値で表す
【I-CE値60】
クーラー内容量の20%の氷を31℃の温度下で1時間保持できることを1hとしてI-CE値を表す
ショルダーベルト ✔️
サイドロック ✔️ ✔️
キャスター ✔️ ✔️
取っ手形状 通常のハンドル形状 ドアノブみたいな形状
抗菌 ✔️
消臭 ✔️

断熱構造

どちらも3面真空パネルですが、スペーザは一体成形真空パネルなので密閉性と保冷力が高そう。一方、断熱材はスペーザは発泡ポリスチレン。ウレタン素材のプロバイザートランクの方が保冷力はありそう。断熱材は、①真空パネル>②ウレタン>③ポリスチレン(スチロール)の順に保冷力に差が出ます

一体成形の真空パネル(スペーザ)とウレタン素材(プロバイザートランク)という違い。保冷力の差は甲乙つけ難し。

保冷力

ダイワはKEEP値、シマノはI-CE値という指標。計測方法が異なるため正確な比較はできません。釣具メーカーのクーラーボックスの保冷力は最強と言われているので、どちらの保冷指標値も信頼できると思います。

消臭と抗菌

ダイワは消臭、シマノは抗菌という差があります。どちらも衛生面で大切なポイントとなりますが、筆者は消臭に惹かれました

サイズと重量

内寸差は長側面はプロバイザートランクは55cm、スペーザは59.2cmで4.2cmの差があります。幅もスペーザが1.2cm大きく、高さだけプロバイザートランクの方が2cm高いです。重量はプロバイザートランクの方が400g軽いです。横長メリットのスペーザか、低高メリットのプロバイザーか、選択肢が分かれます

キャスターと取っ手

プロバイザートランクは通常のハンドル形状。スペーザはドアノブみたいな形状。友人がスペーザを使っているのですが、筆者には正直合いませんでした。

スペーザはハンドルを握るため握力が必要で、運搬時に手が疲れるんです。プロバイザートランクは通常のハンドル形状で持ち手部分が広く、指だけ引っ掛ければクーラーを運搬出来るため、プロバイザートランクの方が扱いやすいです。スペーザも運搬負担を鑑みてちょっと変わった形のハンドルに設計したのでしょうが、普通のハンドル形状の方が持ちやすいし運搬しやすいです。

筆者がプロバイザートランクを選んだ理由は、断熱材と運搬時のハンドル形状の差です。それとダイワのクーラーボックスは医療目的でも使われているという信頼性。

プロバイザートランクHD IIの基本スペック

頑丈マッスルボディ

大人が座ってもびくともしない頑丈さ。大型クーラーなので、座面も広くて座り心地は良いです。

天板は両開き・取り外し可能

天板の蓋はリフトアップ式で開閉します。蓋を閉めるときは上から軽く押さえればカチッと閉まります。このカチッとなるのがいい。密閉性や堅牢さを感じます。

天板の蓋は左右どちらからでも開閉できて、丸ごと取り外すことも可能。天板だけ外して丸洗い出来ます。

サイドロック

不意に天板の蓋が開いたりズレたりしないよう、サイドロックで蓋の開閉を固定出来ます。二重のロック機構で、安全性も配慮されてます。

ロングハンドル

長さも充分にあり持ちやすいです。サイドハンドルに干渉しないように設計されている点と、ハンドルを真上にした時に仮固定される点が良いです。ハンドルは取り外せますが取り付けの向きは決まっていて、凹凸部が長い方がサイドハンドル側です。

サイドハンドル

扱いやすいハンドルです。使用時はハンドルを上に引っ張り出し、使わない時はスマートに収納出来ます。ただ、軽めの樹脂素材なので軽量化には貢献していますが、耐久性や強度面にやや心許なさを感じます。

静音キャスター

ベランダでキャスターを転がしてみましたが、確かに静音です。この静音性と滑らかさは驚きでした。漁港や駐車場など、地面が多少凸凹したところでもスムーズに運搬出来ます。

ふんばるマン

ふんばるマン、グリップ力はしっかりあります。滑りやすい磯場でも安心して使えました。ネーミングが面白いですね。

水抜き栓

クーラー内に溜まった水を排出する栓です。栓蓋が落ちないようストッパーが付いています。しかしこの樹脂ストッパーが薄っぺらいので、何かの拍子にちぎれないか不安。

防水プルーフケースPC-3500付き(TSS、ZSS)

プロバイザートランクHDⅡのTSS(3面真空パネル)とZSS(6面真空パネル)には防水プルーフケースが付いています。クーラー内で左右にスライド出来ます。ケースは深さもあるので、お弁当を入れるのにちょうど良さそう。

ダイワとシマノ 保冷力を比較検証

所有している3つのクーラーボックスの保冷力を検証。ダイワ プロバイザートランク 35Lとシマノ フィクセル リミテッド 12Lの断熱構造は同じ(3面真空パネル+発泡ウレタン)。ただ、容量が異なるため、公平公正な比較ではありません。あくまで大雑把な検証とご認識ください。

  • 【ダイワ】35L|プロバイザートランクHD II TSS(3面真空+発泡ウレタン)
  • 【シマノ】22L|フィクセル ライト(発泡ポリスチレン)
  • 【シマノ】12L|フィクセル リミテッド(3面一体型真空+発泡ウレタン)

比較条件

  • 室内で検証
     温度26.5°C〜27.4°C、湿度73%〜74%
  • 約6時間後、12時間後、14時間後
     計3回チェック

時間経過とともに解けた水量を計測し、保冷力をチェック。最終的により多くの氷が残っている方が勝ちという比較検証。※解けた水を入れる容器の重量は126g。後から差し引きます

0回目-検証開始(12:00)

検証開始時のアイスボックスの重さは以下の通り。少し差はあるものの、このまま計測していきます。

順位|容量 比較対象のクーラー スタート時点の氷の量
35L ダイワ プロバイザートランクHD II TSS 538g
22L シマノ フィクセル ライト 542.5g
12L シマノ フィクセル リミテッド 539.5g

1回目-約6時間後(18:00)

順位|容量 比較対象のクーラー 解けた水量
1位|12L シマノ フィクセル リミテッド 254g
2位|35L ダイワ プロバイザートランクHD II TSS 273g
3位|22L シマノ フィクセル ライト 297g

クーラーボックスの容量的にひょっとしたらプロバイザートランクが最下位かな?と予想しましたが、意外な結果に。氷は半分くらい残っていました。クーラー内の防水プルーフケースが保冷維持に貢献してる気がします(保冷スペースが狭くなるため)。フィクセルライトもかなり健闘。

2回目-約12時間後(24:00)

順位|容量 比較対象のクーラー 解けた水量
1位|12L シマノ フィクセル リミテッド 206.5g
2位|35L ダイワ プロバイザートランクHD II TSS 206.5g
3位|22L シマノ フィクセル ライト 214g

フィクセルリミテッドとプロバイザートランクは同じ水量。しかしどのクーラーも目に見えて氷が解けました。フィクセルライトの氷は小さな欠片が3つほど。あと1時間もすれば完全に解けてしまいそうですが、しかし私も眠い。頑張って計測を続けます。

最終チェック-約14時間後(26:00)

最終チェックは残っている氷の数や量で計測。果たして氷は残っているのでしょうか。

順位|容量 比較対象のクーラー 氷の数や量
1位|12L シマノ フィクセル リミテッド 氷の量は、40.4g
2位|35L ダイワ プロバイザートランクHD II TSS 氷の量は、24.8g
3位|22L シマノ フィクセル ライト 氷は完全に解けてしまった

優勝はフィクセルリミテッド。2位にプロバイザートランク。3位のフィクセルライト(よく頑張った)は完全に氷が解けました。

プロバイザートランクは大型クーラーの割に、この保冷力は驚きの結果。クーラーボックスは容量が小さいほど空気を冷やすエネルギーも少なく済むため、大きなプロバイザーは不利なはず。もしかしたらフィクセルライトにも負けるんじゃないかと思ってましたが、結果は2位。3面真空パネル+ウレタンの保冷力はすごい。

CPパーツでクーラーをカスタマイズ

ダイワクーラーボックスのオプションパーツ、CPポケットとCPキーパーロングを購入しました。どちらもパーツの着脱が可能で、車や船での運搬時には余計な突起物となるパーツを取り外すことにより、物に引っ掛けたり余分なスペースを取ったりせず、スマートに持ち運べることです。

CP(クーラーパートナー)シリーズは、ダイワのクーラー専用ネジだから真空パネルのクーラーにも取り付け可能です。ネジは一般的なM3の8mmネジと同じくらいの短いネジ。断熱材のウレタンを貫通しない程度のネジの長さです。

CPシリーズの対応機種一覧(ダイワ公式サイト)はこちら

CPポケット 90

ゴミ箱用として購入。フタ付きなので、糸くずや使い終わった針を入れる予定。外寸約170×100×100mmです。


CPキーパーロング

高さ可変式のロッドホルダー。約300〜420mmまでの高さ調節が可能。直径は33mmまでの竿や玉の柄に対応。


CPパーツの取り付け

取り付け位置を決めて両面テープで仮止めし、専用ネジで固定します。クーラーの外装は硬いので、ネジ留めは少し力が必要。クーラーボックスに穴を空ける作業のため、慎重に行いましょう。

取り付けで気になったのはロッドホルダーにロングハンドルが干渉し、下まで下がらなくなること(下の写真参照)。また、ロングハンドルがバッタンバッタンと勢い良く倒れるものだから、衝撃がどうしても気になりました。ハンドルが倒れる勢いで、ロッドホルダーのネジが徐々に緩みクーラーのネジ穴が広がらないか、ロッドホルダーが外れないかと心配になりました。

ハンドルの倒れる衝撃を軽減するため、クッション代わりに画鋲を付けました。画鋲とロングハンドルの間で摩擦が生じることにより、ハンドルはゆっくり倒れるようになりました。誤解のないよう言っておくと、CPパーツの土台&専用ネジだけでもしっかり固定されるのでご安心ください

カスタム完成

ということで、プロバイザートランクのカスタム完成。CPパーツがある分、左右に少し出っ張りますが許容範囲です。

CPパーツは対応表に記載されているクーラーなら取り付け可能で、便利なパーツが揃っているのでおすすめです。

ダイワ プロバイザートランク 3500 正直インプレ

ダイワ プロバイザートランク 3500の残念に感じた点も正直にインプレします。

まず最初に、所々に強度不安を感じました。水抜き栓やサイドハンドルの樹脂パーツの薄っぺらさや、ロングハンドルとCPパーツの干渉(CPパーツのネジの短さも相まって)など。特に樹脂パーツの強度に不安を感じます。次に、CPパーツの取り付けでクーラーボックス本体にネジ穴を開けることに抵抗を感じました。

サイドハンドルの強度不安

サイドハンドルは持ちやすくて気に入っているのですが、いつかハンドルがもげるんじゃないかと、強度と耐久性が気になります。ロングハンドルと同じ硬くて強そうな樹脂ハンドルが良かったです。可動部もスカスカしていて折れちゃいそうな操作感なので、それが不安の原因かもしれません。可動部の隙間や強度的な質感をもう少しなんとかして欲しかった印象。

水抜栓の抜け防止ストッパーが薄っぺらい

水抜き栓の抜け防止ストッパーが薄っぺらなのが気になります。少し力を入れて引っ張るとちぎれそう…。

左右側面に両手持ち用の取っ手が欲しかった

大型クーラーなので左右側面で両手持ちすることも想定した取っ手が欲しかったです。ハンドルは必要ないので、指を引っ掛ける取っ手や指先が入るちょっとした凹みがあれば、クーラーボックスをもっと持ちやすくなります。

CPパーツの取り付けでクーラーにネジ穴を開けるのが嫌だ

一部のCPパーツはクーラー本体にネジ穴を開ける仕様で、とても抵抗感があります。買ったばかりのクーラーに穴を開けるなんて覚悟と勇気が必要です。CPパーツを使いたい人はいるけれど、クーラーに穴を開けたくないはず。クーラーを傷付けないでCPパーツを取り付けられる仕様や設計にして欲しいです。

保冷力は信頼度が高いプロバイザートランクですが、なんだかんだで残念な点もありました。クーラーは釣った魚や食料や飲み物を入れるので、釣り人にとって生命線のようなフィッシングギア。保冷力はもちろん、とにかく強度と耐久性、利便性を追求したものを開発して欲しいです。

例えば、こんなクーラーを作って欲しいです。ロッドスタンドはクーラーにネジ穴を開けず取り外し可能な仕様で、径はΦ45mmは欲しい(ほとんどのロッドに対応する径にして欲しい)。クーラーボックスの周りにはモールシステムを搭載し、着せ替えのようにパーツを着脱出来るようにして欲しい。つまり、MEIHOのタックルボックスVERSUSをクーラーボックス化すれば売れると思います!

それにクーラーボックスって重たいですよね。スチロール、ウレタン、真空パネル…、「軽くて保冷力のある新素材」の開発を期待したいですね。

以上、ダイワプロバイザートランクの正直なインプレでした。残念な点をいっぱい書きましたが、保冷力に関しては満足してます。

プロバイザートランク 3500の種類

プロバイザートランク HD Ⅱ 3500にはいくつか種類があります。断熱材の違いによって保冷力と価格、重量に差が出ます。条件に合ったものを選びましょう。

ZSS 3500(6面真空+発泡ウレタン)

6面全面が真空パネルの最上級モデル。プロバイザートランク HD Ⅱシリーズで最も保冷力の高いクーラーです。値段も高いし、重量も重たいです。

TSS 3500(3面真空パネル+発泡ウレタン)

底面と長側面の3面真空パネルのモデルです。今回記事にしたクーラーボックスです。保冷力も価格も重量もそれなりにある中級モデル。

GU 3500(ウレタン)

断熱材がウレタンで保冷力も価格もそこそこの汎用的なモデル。日帰り釣行であればこのクラスのクーラーボックスで十分です。

S 3500(スチロール)

保冷力は一番劣りますが、重量は最も軽いモデル。クーラーボックスは重たいので、軽さと価格を重視する場合は候補に上がります。重量はZSSより1.4kgも軽いです。

まとめ

ダイワ プロバイザートランク 3500のインプレ、いかがでしたか。部分的な強度不安とCPパーツのネジ穴など、もう少しなんとかして欲しい部分はありましたが、TSSモデルの保冷力は素晴らしかったです。さすが医療現場でも使われているダイワ製のクーラーです。釣具メーカーのクーラーボックスの品質は信頼できるのでおすすめです。

ダイワ プロバイザートランク 3500
検証で驚きの保冷力を実証。
ダイワ クーラーの信頼度は高い。

●プロバイザートランクの保冷力は予想以上にすごかった ●ふんばるマンの踏ん張りが良い ●静音キャスターの静音性と滑らかさも想像以上に良かった ●キャスターハンドルが掴みやすい ●天板の蓋のカチッと閉まる感が密閉性も感じられていい



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WRITER: tuna

観葉植物とカメラと釣りが好きな中年サラリーマン。ガジェットやインテリアは、レトロ&ハイテクが融合したデザインのモノが好き。

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